ミッドウェー作戦着想
ミッドウェー作戦着想
山本長官が懸念していた通り、昭和17年になってから米空母部隊はハワイを出撃し、その度に日本軍は来襲の企図や方面の判断に悩まされた。そのため、マーシャル諸島、ウェーク島、本土どれにも警戒処置をとっており、加えて戦力に余裕がなかったために哨戒は不十分であった。奇襲は敵の技量が低かったために被害は小さかったが、連合艦隊は受け身の作戦の困難性を認識した。連合艦隊はセイロン島攻略作戦案が採用されなかったために、連合艦隊幕僚は第二段作戦の移行までに残された4週間に代替案を作成しなければいけない立場に置かれた。連合艦隊幕僚は戦争早期終結に貢献できるような作戦が思いつかず、またこれまで示した作戦案が陸軍部隊を用いるから反対されたと考えており、加えて守勢に回ることの困難性を認識していたために、海上戦力のみで行う攻勢作戦計画の立案を応急的に進めなければいけないと判断し、黒島亀人連合艦隊先任参謀を中心に作戦計画を立案した。
このミッドウェー作戦は、ミッドウェイ島を攻略することにより、米艦隊特に空母部隊を誘出、これを捕捉撃滅する作戦であった。これは米軍の要点であるミッドウェイ島を占領することで軍事上・国内政治上から全力で奪回しようとすることが明白であったので、米空母部隊が出撃するであろうという前提に基づくものであった。しかし、ミッドウェイ島を占領してからの確保は極めて困難であることが考えられており、連合艦隊はあくまでこの作戦は米空母を撃滅することを目的とし、さらに占領後には他方面で攻勢を行い、敵にミッドウェー奪回の余裕を与えなければ、10月のハワイ攻略作戦にまで確保できると考えた。すなわち、このミッドウェイ島の占領は直接的なハワイ攻略作戦の準備ではなく、空母の捕捉撃滅を第一の目標として考えたものであり、ハワイ攻略作戦にとっては間接的、補助的な役割に限定した作戦であった。
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